仮定法過去

仮定法過去は、現実とは異なる、非現実的な現在や未来の仮定の状況を表す文法です。
「もし〜なら…だろう」という仮想の条件を示し、現実に反する想像や願望を表現します。

英語では主に 動詞の過去形 を使いますが、動詞 “be” の場合はすべての主語で were を使うのが正式な用法です(例外的に口語では “was” とも言いますが、文法的には “were” が正しい)。

使い方のポイント

  • 主語にかかわらず 「be動詞はすべて were」を使う(If I were, If he were, If she were…)
  • 動詞はほとんど過去形と同じ形を使う(例:If I had, If you knew)
  • 典型的には if 節で使い、主節には would, could, might など助動詞が続く

基本構文

textIf + 主語 + 動詞の過去形(be動詞は were), 主語 + would / could / might + 動詞の原形

例文

英文日本語訳
If I were you, I would study harder.もし私があなたなら、もっと勉強するだろう。
If she were here, she could help us.もし彼女がここにいれば、私たちを助けてくれるのに。
If they knew the truth, they might be surprised.もし彼らが真実を知っていたら、驚くかもしれないのに。
He acts as if he were the boss.彼はまるで自分がボスであるかのように振る舞う。
I wish I were taller.もっと背が高ければいいのに。

用途

  1. 非現実的な現在・未来の条件
     (例:If I were rich, I would travel the world.)
  2. 願望や後悔の表現
     「~であればよいのに」という希望や後悔を伝える。
     (例:I wish he were here now.)
  3. 仮想の比較や例え
     (例:She acts as if she were a queen.)

注意点

  • 「If I was」は口語で使われますが、正式な文章では「If I were」を使うのが正しい。
  • 他の動詞は過去形の形をそのまま使います。
  • 主節の助動詞は「would」「could」「might」が一般的ですが、「should」や他の助動詞も場合によって使われます。

練習問題

次の文を完成させてください。

  1. If I (be) ______ taller, I would play basketball.
  2. If she (have) ______ more time, she could travel abroad.
  3. I wish he (know) ______ the answer.
  4. If they (be) ______ here, they would help us.
  5. He talks as if he (be) ______ the owner.

解答例

  1. were
  2. had
  3. knew
  4. were
  5. were

まとめ

  • 仮定法過去は「現実とは違う今や未来の仮定」を表す文法です。
  • be動詞の主語にかかわらず「were」を使い、それ以外は過去形を使います。
  • if節に使い、主節には助動詞+動詞の原形が来ます。
  • 願望や後悔の気持ち、非現実的な条件、仮想の例えでよく用いられます。