フォニックス

フォニックスは、英語の文字(アルファベット)と音(発音)の対応関係を体系的に学ぶ方法です。
この学習法により、知らない単語でも文字から推測して正しい発音に近づけることができ、英語の読み書き能力が向上します。

英語圏の子どもたちは学校でこのフォニックスを自然に習得し、世界中で英語を学ぶ人にも有効な学習法として注目されています。

アルファベットの音(レターサウンド)

フォニックスでまず覚えるべきは、26文字それぞれの代表的な音(音素)です。以下の表は「アルファベットごとの基本的かつ代表的な音」をまとめたものです。

アルファベット代表音(音素記号)説明・例単語発音のヒント(日本語近似)
A/æ/, /eɪ/cat / cake「ア」短音、長音は「エイ」
B/b/bat「ブ」に近い
C/k/, /s/cat / city「ク」か「ス」
D/d/dog「ド」
E/ɛ/, /iː/bed / see短音は「エ」、長音は「イー」
F/f/fan「フ」
G/ɡ/, /dʒ/got / giraffe「グ」または「ジ」
H/h/hat喉の軽い息音「ハ」
I/ɪ/, /aɪ/sit / kite短音は「イ」、長音は「アイ」
J/dʒ/jump「ジ」+小さい「ュ」音
K/k/kite「ク」
L/l/leg舌を歯の裏に当てる音
M/m/man「ム」
N/n/net舌先を歯の裏に当てて鼻から出す音
O/ɑː/, /oʊ/hot / note短音は「ア」、長音は「オウ」
P/p/pen「プ」
Q/kw/queen「ク」と「ウ」を素早く繋げた音
R/r/red舌を丸めるアメリカ英語の「ラ」
S/s/, /z/sit / roses「ス」か「ズ」
T/t/top「ト」
U/ʌ/, /juː/cup / use短音は「ア」、長音は「ユー」
V/v/van上歯と下唇を軽く当てる「ヴ」音
W/w/wet口を丸めて「ウ」
X/ks/box「クス」
Y/j/, /aɪ/yes / sky「ヤ」という母音の接頭音、長音は「アイ」
Z/z/zoo「ズ」

フォニックスの基本ルール例

ルール名内容説明例単語ポイント
サイレントe(マジックe)語末の「e」は発音せず、前の母音が長音になるcake / home / like「e」は発音せず、母音が名前読みになる
短母音母音の後に子音が続くと母音は短く発音されるcat / dog / sit母音の短い音を意識する
子音連結(ダイグラフ)2つの子音が1つの新しい音になるch / sh / th / ng一つの音として発音する
母音チーム2つの母音が一緒に長母音を作るteam / boat / pie2つ目の母音は発音しない
ソフトc/gc, gの後ろに e, i, y が続くと /s/, /j/ の音になるcity / giraffe / pencilcは/s/、gは/j/に変わる
無声音文字綴りkn, wr, mbなどで一部の子音が発音されないknock / write / lamb文字の一部が発音されない

フォニックス学習のメリット

  • 英語の文字と音の規則性が理解でき、読解力が向上。
  • ネイティブに近い発音習得が可能に。
  • 見たことのない単語も読みやすくなる。
  • カタカナ発音の誤りを減らし、自然な英語のリズムが身につく。